相思相愛
「嘘つくなよ。からかうのは、よしてくれ」
そうこれは、恭平の小さな遊びだ。
俺は、恭平から目を反らした。
「嘘じゃない。本当に梓のことを、愛してるんだ。信じてほしい。」
さっきよりも、声のボリュームが強くなる。
信じるもなにも、ありえない。
「こんな俺に、好きになる要素がないだろ。恭平が俺を、す…好きなんてありえない。」
「梓、俺の顔を見ろ」
恭平は、俺の顎を掴み顔を上げさせた。
いつもよりも、真剣で俺をすっと見据えていた。
「…っ」
その眼差しに息がつまりそうになる。
「もう一度だって、梓が信じてくれるまで、俺は何回だって言う。梓を愛していると。」
---ドキッ
心臓かおかしな程、速くうるさく鼓動を刻む。
「お、俺は…まだ分からないよ」
精一杯に答えたつもり。
本当に恭平が俺を好きみたいだから。