相思相愛



まず始めに、エレベーターに乗って一番下の階に降りてみる。


ちなみに俺がいた最上階は、72階。
どんだけ高いんだよ!!


しらみ潰しに探検していると、しらない女性に声をかけられた。




「ごめんなさいね。もしよかったらでいいんだけど、モデルしてくんないかな??」


何故俺なんですか!?
まぁ、暇だからいっかな♪


「はい、俺でよければ」


すると女性は驚いたようだ。

「えっ!?男の子だったの?てっきり、ボーイッシュな女の子かと……まぁ、大丈夫でしょう」


何かぶつぶつ言ったかと思うと、俺をどこかに連れていった。









**********


「梓ちゃん、カメラに恋したみたいにね─」

「ぁ、はい!」

──カシャッ



スタジオから聞こえる、カメラ特有のシャッター音。



あれから俺は、あの女性にここまで連れて来られたかと思うと、されるがままにさせられた。

メイクもした。
しかも、テーマは"恋する女の子"らしい。

だから俺は、ミニスカートをはかされてウィッグもつけている。


顔は言うまでもなく、気持ち悪い。

周りの人達はかわいいだの言っていたが、嘘だと思う。




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