相思相愛
まず始めに、エレベーターに乗って一番下の階に降りてみる。
ちなみに俺がいた最上階は、72階。
どんだけ高いんだよ!!
しらみ潰しに探検していると、しらない女性に声をかけられた。
「ごめんなさいね。もしよかったらでいいんだけど、モデルしてくんないかな??」
何故俺なんですか!?
まぁ、暇だからいっかな♪
「はい、俺でよければ」
すると女性は驚いたようだ。
「えっ!?男の子だったの?てっきり、ボーイッシュな女の子かと……まぁ、大丈夫でしょう」
何かぶつぶつ言ったかと思うと、俺をどこかに連れていった。
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「梓ちゃん、カメラに恋したみたいにね─」
「ぁ、はい!」
──カシャッ
スタジオから聞こえる、カメラ特有のシャッター音。
あれから俺は、あの女性にここまで連れて来られたかと思うと、されるがままにさせられた。
メイクもした。
しかも、テーマは"恋する女の子"らしい。
だから俺は、ミニスカートをはかされてウィッグもつけている。
顔は言うまでもなく、気持ち悪い。
周りの人達はかわいいだの言っていたが、嘘だと思う。