相思相愛
「梓ちゃん最後に、ウィンクよろしく」
カメラマンさんにそう言われて、俺は従う。
「いいね─ありがとう、梓ちゃん♪お疲れ様」
「こちらこそありがとうございます。お疲れ様です」
はぁ─、疲れた。
なんでも、モデルさんが急遽来れなくなったらしく、代理を探していたらしい。
それにしても、あれから2時間ぶっ続けでしたからマジ、疲れた…
「梓ちゃん、ありがとうね。おかげで助かったわ」
そう言いながらお茶を渡してきたのは、俺に声をかけてきた女性だ。
名前は、佐藤里奈さん。
「佐藤さん、気にしないでください」
笑いながらお茶を受けとる。
「よかったら梓ちゃんさぁ、モデルやらない??」
まさかのお誘いだ。
でも、恭平いないからな。
あ、そういえば恭平俺のこと探してるかな?
だってもう、7時ぐらいだし。
見つかったら怒られそう…
「考えときますね」
「あらそう?梓ちゃんなら、かわいいモデルになれるわよ!名刺渡しとくから、やりたくなったらいつでも電話してね。私は、大歓迎だから♪」
「あ、ありがとうございます」