相思相愛
「何かあったのか??」
恭平は俺の顔を除き込みながら、聞いてきた。
「何にもないよ」
本当のことは恭平には、言わないでおこう。
心配かけたくないし。
「嘘つけ。梓は、自分の中で溜め込む癖があるからな。」
俺の返答が、嘘とすぐに分かったようで眉間にシワが寄っていた。
「うっ・・・」
確かにそうだけど。
「まっ、今言えなくてもいつかは言えよ!待ってるから」
恭平はそれだけ言うと、俺の頬にキスをした。
「なっ!!!」
何すんだ――!
ここは、公共の面前だからね!?
分かってるのかな。
「人がいるんだから、自重して」
「ははっ、分かった」
笑いながら返答する恭平に、俺はまたやらかすんだろうと、思った。