聖花学園~花よ咲き誇れ~2
 心の中でそう懇願しても呉羽先生は動かない。

 それどころか、まるでいるのが分かっているかのように話し始める。


「居留守なんか使ったって無駄だ。さっさとドアを開けるんだな」

「っ!?」


 いるの、バレてる?


「……この時間、部屋にいないほうがおかしいだろう? いい加減観念して俺を受け入れろ」

 その命令口調にゾクリとした。


 今このドアを開けたら何をされるか分からない。



 学園ではまだ軽いセクハラしかされてない。

 でもここは学園じゃない。

 学園が運営している寮だけど、部屋に入ってしまえば他の人に見られることもなく、場合によっては何をしても分からない。



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