聖花学園~花よ咲き誇れ~2


「とりあえず、PCで拡大印刷でもしてこの寮の食堂にでも飾っておこうか? 明日の朝が楽しみだな」


 そう言って喉を鳴らすように笑う呉羽先生に、わたしは思わず……。



 カチッ



 ――カギを開けた……。


 あの画像を皆に見られたくない。


 画像そのものを見られたくないというのはもちろん、それを見たことで皆がどんな思いをするのかを思うと、絶対に避けたいと思った。



 それに呉羽先生はじっくりいたぶるのが趣味だって言ってた。

 なら、すぐに最悪の事態にはならないはず……。



 そんな苦し紛れの希望を持って、ドアが開かれるのを待った。

 カギは開けても、ドアまで開ける勇気はなかったから……。


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