聖花学園~花よ咲き誇れ~2
「僕だって、出来るなら殴りたい……。でも、正当防衛が通じるのは……小都子だけ。……僕等が、正当な理由も無しにそいつを殴って、タダで済むと思うの?」

「そんなもの――」


「ックハハ!」

 流依が尚も和子先輩に食って掛かろうとすると、今まで黙っていた呉羽先生が突然声を上げて笑い出した。


「よく分かってるじゃないか」

 わたし達を見下すように……ううん、明らかに見下して呉羽先生は話し出す。


「そうだな、お前が俺を殴ったら少なくとも停学処分くらいはなるだろう。……というか、そうなるようにしてやる」

「なっ!?」

「そうすれば、桂を守る奴が少なくなって助かるからな。……俺は、桂と二人で楽しみたいんだよ」


 ゾワッ


 呉羽先生の言葉に、鳥肌が立つ。

 気温はどちらかと言うと高くて暑いはずなのに、わたしはとても寒かった。

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