聖花学園~花よ咲き誇れ~2
 そんなわたしに気付いてか、和子先輩がわたしの頭を優しく撫でてくれた。

 大丈夫だというように、手を握ってくれる。


 温かい……。


 その温かさに、凍りついた体が溶けていく。


 でも、わたしを凍りつかせた張本人は変わらず冷たい微笑みを浮かべていた。



「フッ……。まあ、今日のところはこれで大人しくしてやるよ」

 眼鏡のフレームを指で軽く持ち上げながら言う。


 そうして自分の部屋に足を向けたところで、顔だけを私に向けた。


「じゃあ、またな」


 この間、保健室を出るときにも言われた言葉。

 また、こんな事をするという予告。



< 121 / 389 >

この作品をシェア

pagetop