聖花学園~花よ咲き誇れ~2
 前は少し時間を置いてからわたしに近付いてきた呉羽先生。

 でも、今日はすぐにわたしの側に来た。


 わたしの後ろに立ち、右手を薬品棚のガラス戸につく。

 それだけでわたしは怖くて動けなくなる。


「呉羽先生!」

 そうしていると、奥のほうで資料整理していた流依が声を上げた。


 呉羽先生がゆっくり流依の方を見たのが気配で分かる。


「何だ水上?」

「何をしているんですか?」

 余裕の呉羽先生に、流依は怒りを抑えたような声音で聞く。

 呉羽先生はその質問にも余裕な声で答えた。



< 128 / 389 >

この作品をシェア

pagetop