聖花学園~花よ咲き誇れ~2
「何をしているか? 桂の仕事の様子を見ているだけだが?」

「なっ!? そ、そんな格好で見る必要はないでしょう?」


 そんな風に食い下がった流依に、呉羽先生はクッと嘲笑うかのように喉を鳴らす。


「俺がどんな格好で様子を見ようが俺の勝手だ。……それとも? お前は様子を見ているだけの俺に何か難くせでもつける気か?」

「っ!?」

 呉羽先生の言い分に、流依が言葉を詰まらせる。


 体が硬直して振り返れないわたしには見えないけど、きっと悔しそうな顔をしてるんだろう。


「他に何も言うことがないのなら仕事を再開しろ。昼休みの時間は少ないんだ」

 そう言った呉羽先生は、またわたしの方を見た。

 少し頭を下げ、わたしの耳元に顔を近づける。

 首筋に呉羽先生の息がかかり、わたしの頬に嫌な汗が流れた。



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