聖花学園~花よ咲き誇れ~2
「ゃ……」

 わたしは震える喉を無理矢理大人しくさせ、抵抗の言葉を口にする。


「ぃやあぁ!」


「!? 呉羽、お前ぇ!」

 わたしの悲鳴に、流依が今の状況に気付いてくれた。

 まだちゃんと動いてくれない首を僅かに動かすと、流依がすぐにこっちに向かってきてくれていたのが目の端に見える。



 そして呉羽先生の右手がガラス戸から離れたと思った次の瞬間には、わたしは流依に腕の中にいた。


 その腕が流依のものだと分かると、わたしはすがるようにしがみつく。



「小都子……」

 流依は優しく、悲しそうにわたしの名前を呼ぶと、わたしを放し背中に守った。


 その状態で、呉羽先生と相対する。


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