聖花学園~花よ咲き誇れ~2
『お前が俺を殴ったら少なくとも停学処分くらいはなるだろう。……というか、そうなるようにしてやる』

 呉羽先生が言ったその言葉。


 呉羽先生は、今まさにそれを実行しようとしているんだ。

 だから、わざわざ流依を挑発するような言い方をした。



 でも流依はわたしの声に反応して止まってくれる。

 もう少しで殴ってしまいそうな、本当に寸前で。


 ……それで良かった。

 良かったはずなのに……。



 流依が止まってくれて、ホッとする間もなく保健室のドアが開かれた。

「すみません呉羽先生、少し遅れてしまいましたか? ……って水上さん!? あなた何をしているんですか!?」


 そう言って入ってきたのは、わたし達一年の学年主任の藤田先生だった。


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