聖花学園~花よ咲き誇れ~2


「全く、根性のない奴だ。丁度殴ったところを見せ付けるはずだったんだがな」

 藤田先生と流依が出て行くと、呉羽先生は隠していた本性を現してそう言った。



 殴ったところを見せ付けるはずだった?

 ……まさか!?


「まさか、最初からこうするつもりで……?」

 わたしは目を見張り聞いた。


「正確には、水上に殴らせて停学処分にでもなってもらおうと思っていたんだがな。……この程度じゃあ厳重注意くらいで終わりそうだな」

 不満そうに言った呉羽先生の言葉にホッとする。

 流依が停学になることはないようだったから……。



 でも、安心すると今度は怒りがこみ上げてきた。


「あの先生は俺に気があるみたいだからな……。あんなバカみたいな理由でも信じきる。本当に滑稽(こっけい)だ」


 胸の奥から、腹のそこから、真っ赤なものが湧き上がってくるようだ。

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