聖花学園~花よ咲き誇れ~2
「小都子……俺にまで気を使うな……」

 わたしの肩に額を預けて、流依は悲しそうに囁く。

「先輩達に心配かけないように笑っているのは気付いてた。……お前は優しいから、気を使ってるんだろう?」

「……」


 何で、流依はいつもわたしのこと見抜いてしまうのかな?


「俺は分かってるから。……だから俺には気を使わなくていい」

 肩に流依の頭の重みを感じながらその言葉を聞いていたわたしは、無意識に口を開いた。


「ううん、違う……流依には気を使ってるんじゃないわ……」


 そのわたしの言葉に、流依はバッと頭を上げてわたしの顔が見えるように抱きしめる腕を少し緩め離れる。


 わたしは、目の前の驚きの表情をした流依を見つめながら微笑んだ。


 すると流依もつられたように微笑む。

< 141 / 389 >

この作品をシェア

pagetop