聖花学園~花よ咲き誇れ~2
 そしてわたしをチラリと見たかと思うと、すぐにドアの向こうに消えていく。


 バタンとドアが閉まると、三度目の沈黙。



 わたし、和子先輩を傷つけてしまった?

 それに寿先輩も……。

 ……きっと、ほかの二人も……。



 そう思って、気まずそうにドアの前で立ち尽くしている翔子先輩と優姫先輩を見る。

 二人ともどうしていいか分からないと言った感じだ。



 わたしはいたたまれなくて、そのまま顔をうつむかせる。



 本当に、こんなはずじゃなかったのに……。



 先輩達を傷つけてしまって悲しくて……そして悔しくて……。

 わたしは眉間に深いシワを刻んでいた。
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