聖花学園~花よ咲き誇れ~2
しばらくして、動きがあった。
視線を上げると、優姫先輩がこっちに歩いてきているのが見える。
わたしの目の前まで来た優姫先輩は、ニカッといつもと同じ笑顔を見せた。
その笑顔に、わたしは軽く驚き目をぱちくりさせる。
「そんな顔すんなって」
いつもと変わらぬ元気な口調。
驚きはしたけど、心のどこかではホッとしていた。
「ホントは皆、薄々気付いてたんだ……」
「え?」
少し申し訳なさそうに言った優姫先輩に、わたしはニ、三度瞬きをして聞き返す。