聖花学園~花よ咲き誇れ~2
 

「ええ、だって……嬉しいもの」


「っ!?」

 言うと、流依は顔を赤くしてわたしから視線を逸らす。



 え? どうしたんだろう?


「流――」

「小都子」

 流依の様子がおかしいから声を掛けようとしたら、その前に和子先輩から声を掛けられた。


「え? あ、はい?」

 反射的に返事をして顔を和子先輩の方へ向けると、いつに無く真剣な瞳とぶつかる。


「今日の、小都子の午前中の時間……僕に、くれないかな?」

 いつも通りのゆっくりした口調にも、どこか真っ直ぐなものを感じる。
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