聖花学園~花よ咲き誇れ~2
 
 和子先輩とちゃんと向かい合おうと決めていたから、迷うことは無かった。

 でも、返事をする前に流依を見る。



 反対、するかな?



 昨日みたいに戸惑っているかと思った。

 でも、その心配は無用に終わる。


 確かに複雑そうな顔はしていたけど、止める気はないみたい。


「いいよ。俺のことは気にするな」

 なんて笑顔で言われたら、胸が締め付けられるような苦しみを感じる。


 でもそれは優しい苦しみ。


 苦しいのに優しいなんて変なの、と思いながらわたしは「ありがとう」と呟いた。

 そして和子先輩の方に向き直る。

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