聖花学園~花よ咲き誇れ~2
『それで君に頼みたいことがあるんだ……』

 わたしが色々と思い出していると、翔子先輩は話を続けてきた。


「何ですか? 出来ることならやりますけど?」

『有り難う。……それで頼みって言うのは、その撮影に立ち合って欲しいんだ、君に』


 また幻聴かと思った。

 翔子先輩の言葉を頭の中でもう一度繰り返し、やっと理解する。

「はい?」

 理解はしたけど、どうしてそうなるのかが分からなくて聞き返す。


 何でわたしが?


『オレの初仕事だからさ、君に見届けてもらいたいんだ。……駄目かい?』



 翔子先輩、ずるい……。

 そんな風に『駄目かい?』なんて聞かれて駄目なんて言えるわけないよ。


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