聖花学園~花よ咲き誇れ~2
「許して欲しかったら、キスしろよ」

「へ?」


 一瞬、何を言われたのか分からなかった。


 理解して、一気に顔に熱が集まる。


「そ、んなこと。出来るわけないじゃない……」


 今いるのは街中。

 午前中だしまだ人は少ない方だけど、全くいないわけじゃない。

 今も足を止めている私達の横を何人もの人が通り過ぎていく。


 なのに、流依は言ったことを撤回する様子はない。

 それどころか……。


「キスしないと許さないぞ? するまで俺はここを動かないからな」


 子供か!?


 と思わず突っ込みたくなるような態度。
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