聖花学園~花よ咲き誇れ~2
そんな過程を経(へ)て今に至る――。
「何だか……ドキドキ、する……」
「そうですね。自分のデビューではないのに、変に緊張してしまいます」
「二人とも、それだと本人以上に心配してる保護者みたいだよ?」
「ま、気持ちは分かるけどな」
応援に来ると言っていた先輩達もしっかり来ていて、案の定撮影前のわたしが控えているイス周辺は大所帯になっていた。
流依は遠慮しているのか、それともただ単に皆の間に割り込めないだけなのか、二、三歩離れたところで黙って立っている。
「ホラホラアンタ達! あんまり小都子ちゃんに近付いて折角してもらった髪のセットやメイク崩さないでよ?」
少し席を外していた由宇花さんが、小走りで近付いてきて先輩達に注意する。
そのとき、鳴海さんの声がスタジオに響く。