聖花学園~花よ咲き誇れ~2
裏の顔
しばらくして試合が再開されるころ、わたしはグラウンドではなく校舎内にいた。
さっきのちょっとした事故は何とか落ち着かせたものの、そのあと皆で声をそろえて――。
『お顔に傷を残さないで下さい!!』
と力いっぱい頼み込まれた。
だから今、仕方なく保健室に向かっている。
「別にたいした事ないのに……」
血は出ているけど、傷自体はホントに小さい。
別に放っておいても痕は残らないと思うんだけど……。
でもまあ折角だし、消毒して薬つけてもらおう。
そう思って、わたしは保健室へと急いだ。