聖花学園~花よ咲き誇れ~2
 呉羽先生は窓辺から離れ近付いてくると、私の顎を捕らえた。


「っ!?」

 傷の様子を見ているんだろうけど、この状況は恥ずかしい。


 傷口を見ているはずの呉羽先生の視線が、わたしの反応を見ているように感じるのは気のせいだろうか……。


 わたしは変にドキドキしてしまって呉羽先生から視線を逸らす。



「確かにたいした事はないな。だが、女が顔に傷をつけるものじゃない。座れ、消毒して薬を塗っておこう」

「あ、はい」


 そうして顎を離されホッとする。

 この先生は仕草や表情が一々妖艶で心臓に悪い。


 まあ、それが生徒達に人気がある理由なんだろうけど……。



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