聖花学園~花よ咲き誇れ~2
 わたしが叫ぶと、以外にも呉羽先生はピタリと足を止めた。


 わたしはそれに少し安心して、距離をとったまま口を開く。


「わたしが眠っている間、何かしたんですか?」

 そう警戒心をむき出しにして質問したわたしに、呉羽先生は面白そうに目を細めた。


「何をしたと思う?」

「はぐらかさないで下さい!」

「別にはぐらかすつもりはないが……まあいい。教えてやるよ」


 そう言った呉羽先生は、自分が着ている白衣のポケットからケータイを取り出した。


「本当はデジカメでもあれば良かったんだがな……。でもまあ、最近の携帯は性能がいいから良く写っている」


 その言葉に、嫌な記憶がフラッシュバックする。


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