愛と青春と追憶の みどる。
自分の能力の限界を知りたい。

私が一緒に通学をしていた、

中学時代の友人のように、

自分自身の輝きを、

自分自身で確認してみたい。



自分自身の、

あまりにふがいない、

この、どてっぱらに、

悲しみと、怒りと、熱情と、

新しいはじまりと、

大いなる旅立ちのみどるを、

壮絶にぶちこめるような、

そんな人生を送ってみたい。



「やればできる」と、

校長先生も、教頭先生も、

担任の先生も、

あまりに平板に言うけれど。

それは、本心なのだろうか。

こころのどてっぱらの底からの、

ちからいっぱいの

真実の、みどるなのだろうか。



それとも、

そう言わないと、

お給料が出ないから。

そうなのだろうか。



先生達は、みんな、

(ばーか)

(生まれながらに能力のあるやつは)

(もう、生まれた時点で)

(決まっているんだよ)

(このくそがきどもが)

そう、内心は思っているのだろうか。



一応、

笑顔で無垢な児童を前にして、

「やればできる」

そう、言っているだけなのだろうか。




果たして、

私という、実験材料でも、

本当に正しく、

化学反応は起こるのだろうか。


それとも、やっぱり、

両親が有名大学出身でないと、

だめなのだろうか。


大手の学習塾に通うために、

高額の授業料を払えるような、

そんな家庭に生まれない限り、

だめなのだろうか。



そもそも、

クラスの男子から

「どてっぱらみどる親方」なる

悲しき称号を付与されている時点で、

だめなのだろうか。
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