モラルハラスメントー 愛が生んだ悲劇
地獄への階段
無事に入籍を済ませると、苗字が変わるために様々な手続きに追われた。
直哉のとった休みに合わせて裕子も一週間の有休を取り、この間は二人でゆっくりと過ごそうと約束をしていた。
「こんなに長い休みは久しぶりだよ〜。 今までが真面目に働き過ぎだよね。」
紅茶を入れながら直哉の隣に腰を降ろした。
『このまま裕子はずっと休みだろ? 専業主婦なんだから。』
裕子は冗談だと思い、
「それもい〜かもね。 赤ちゃんできたらね。」
と交わしたつもりだった。
直哉は読んでいた雑誌をテーブルに叩きつけた。
煎れたてのミルクティーがピチャッと跳ねた。