モラルハラスメントー 愛が生んだ悲劇
救急車で担ぎ込まれた病院の、ICU(緊急治療室)に夫は寝ていた。
幸い命に別状はないが、意識が戻るのには一日くらいかかると、医師からの説明があった。
冷たい待合室で、裕子は安堵と共に、絶望感にうちひしがれ、声を殺して泣いた。
(どうして・・・・ どうしてこんなこと・・ )
〔見捨てられ不安が強く、自分に対しての絶対的な愛を求めている。
自己愛を傷つけられると混乱してしまい、自傷行為をしてしまう。〕
裕子は大分前からインターネットで夫の性格の問題について調べていた。
夫が可哀相でならなかった。
こんなに、こんなに夫を愛しているのに
何故こんなに彼は孤独なのだろう。。。
私に何ができるのだろうか。