Ｇｏ ａｇａｉｎｓｔ ｓｔｏｒｙ

ノゥンは目の前で起きてる様子を夢の中にいるような感覚で見ていた。

「なんや、お前は逃げんのん？」

青年はガランとした状況に途方に暮れていたが、イスから動かないノゥンを見つけた。

「んー？お前、薬飲まされとんちゃう？」

青年はトロンとしたノゥンを覗き込む。

「しゃーなぃなぁ、人助けはオレの趣味じゃなぃねんけどなぁー。」

そう言うと、ポケットから白っぽい葉を一枚取り出すとノゥンの鼻の前でこすり合わせる。

「うっ…んっ…。」

ノゥンの瞳に輝きが戻った。

「気ぃついたみたいゃな。でも、ちょっと待っててな。」

青年はそう言うと、ステージの端にあるカーテンのに向かって拳銃を構えた。

「戻ってくる奴もおるんやなぁ～。隠れんなって！もう、わかってるで！」

するとカーテンの中からボスが出て来た。

「全く…お前を呼んだ覚えはないんだがな。とりあえず、俺が用のあるのはそいつだけだ。」

ボスはノゥンをあごで指す。

「お前になくてもこっちにあんねんなー。お前の首には６０００ピートが懸かってんの忘れとんか？」

青年は引き金に指をかけ直す。

そのとき！

「ボス！客は全員無事逃げました！」

扉からバックスとジャックが入って来た。

「倉庫の物はアジトに運び直したよっ！」

反対のカーテンから黒ピアスの女とノアールが出てきた。

「形成逆転だな。さぁ、どうする？」

ボスは銀の長棒を構えた。

「あっちゃー！ヤバイなぁ！」

盗賊達はジリジリと近寄ってくる。

ノゥンはまだ意識がはっきりとはしてないが、直感で青年を助けなければと思った。

「私の後ろへ。」

ノゥンは落ち着きを払い、青年の前に立つと目を閉じた。

「みんな！ 伏せる！」

ノアールの声と同時ぐらいにノゥンを中心として風が舞い上がる。

「はっ！」

ノゥンが目を開けると、ものすごい突風が盗賊達を叩き付けた。

「皆さん、ゴメンなさい…。さぁ、今のうちに。」

ノゥンは扉に向かって走る、青年はあ然としながら着いていく。

「一体…お前は？」

その声はノゥンには聞こえてないようだった。