Go against story

仲間

「ハァ、ハァ。」

ノゥンは建物からでると立ち止まった。

後に続いていた青年がノゥンを引っ張る。

「こっちや!安全な場所があんねん。」

そう言うと、壊れそうな建物の中に入っていった。

青年は建物の中に入ると、ロウソクに火をつけてノゥンを見た。

「さっきはありがとうな。あれはかなりヤバかったかんなぁ~。」

青年はそう言うと手を差し出す。

「いえ、少し風を起こしただけですから。」

ノゥンは差し出された手を握り返す。

「オレの名前はタカ。賞金稼ぎやってんねん。お前は?」

クシャっと顔を笑わせるとノゥンに尋ねた。

「私はロゥナの神官でノゥンと言います。訳あってアズートに向かう途中だったのですが、そのときに盗賊に捕まったのです。」

ノゥンは手短に経緯を説明した。

「神官か!通りであんな魔法が使えると思ったわ!」

タカは興奮しながら喋った。

「ってかノゥンやった?お前何歳?」

「17歳ですけれど?」

「ジューナナ!?オレと同じやんっ!」」

タカはビックリしたが、親近感が沸いたのかノゥンの肩に手をまわす。

「そうかぁ~同い年かぁ!でもなっ!その喋り方はアカンなぁー。エラそうに見えんねん。」

タカは悪気なく言った。

「はぁ…?」

ノゥンは戸惑っていた。神官という立場だったせいか、かしこまった喋り方しかできなかった。

しかも、同い年とはこのように喋ることなどなかった。

「うっしっ!礼もしなあかんからオレの家に行こっ!」

タカはそう言って目の前の大きな布をめくると、そこには見たこともない物が隠れていた。

(見た目は現代のバイクのようだが、かなり大きくさらにエンジン部分が後と下と2つ付いている。

さらに前輪近くには球状の物が3つ埋め込まれている。)

「これはオレの親友が作った“鉄馬”!オレの相棒や!」

タカは勢いよくまたがるとノゥンに手招きをし、後ろに乗せた。

「しっかり捕まっときやっ!振り落とされるで!」

ドゥン、ドルゥーーー

エンジンからでる音が建物中に響く

「いたぞ!この中だ!」

ジャックらしき人物の声が微かに聞こえた。
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