Go against story
クルッと鉄馬を回転させると、さっきの崖の少し下に金属でできた丸い扉のよう物があった。

タカは指を指すと

「あれも親友の作品。おかげでオレら以外誰も入れんねん。」

タカはまたクシャっと笑って見せた。

そして扉の真ん中までくると鉄馬の光を中央の窪みに当てる。

ガチャ、ギーーー

扉が開きノゥン達が入って行くとまたひとりでに閉じた。

「うぃーっす!今戻ったで。」

鉄馬を止め、ノゥンについて来いと手で合図しながら誰かに話し掛ける。

「早かったな。だからゆうたやろ?失敗するって。」

その青年も独特の喋り方をしており、髪は短く茶色で体はがっしりと筋肉質だった。

「なんで失敗したって知ってんねん!」

そう怒ったように言いながらもタカの顔は笑っていた。

「ってかこいつは?」

青年はノゥンに気付いた。

「オレが囲まれてヤバかったときに助けてくれたんや!オレらと同い年やのに神官なんやで!」

タカは嬉しそうに話す。
「やっぱ俺も行った方が良かったやん!…タカを助けてくれてありがとう。俺はシン。」

シンは少し不機嫌そうに言う。

「私…いや僕はノゥン。こちらこそタカには助けてもらったから…。」

何とか喋り方を変えようとするノゥンを見て、うんうんと頷くタカ。

「んなまぁ~自己紹介も済んだってことで!…飲み会開始!!」

タカは鉄馬の中から薄茶色のビンを取り出して二カッと笑った。

「成功もしてんのに酒だけは盗って来たんかよ…しゃーなぃ奴や…」

シンは、はぁーっとため息をついたが嬉しそうである。

そんな様子を見てノゥンもフッと笑った。

ノゥンにとって初めて自然出た笑顔だった。

そしてドンチャン騒ぎは全員が眠るまで続いた。
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