Go against story
「トランスハンター?そんなん…オヤジ一言も…。」

たじろぐタカに船長が言う。

「まぁー表向きは普通のハンターやからな。でもお前のオヤジがいくつか石持っとうはずや。それが証拠や。」

タカは力なく銃を降ろした。

「タカ…。」

ノゥンがタカに駆け寄った。

「まっ、そーゆうことや。お前もしらんうちにハンターの血を受け継いでたんやな。」

笑いながら言う船長に、ノゥンがにらみ返したときだった。

船長の石が青白く光だし、船がグラッと揺れた。

「やばいっ!くそっ!アイツが現われた!クライがゆうてた一波はこっちのことやったんか!おぃ!お前ら!全速前進!逃げるぞ!」

船長が慌てて海賊達に指示した。

海賊達も慌ててバタバタと動きだす。

「一体何が起こったんや!?」

驚くタカ達に一人の海賊が叫ぶように言った。

「カエアンペンだ!このクライを狙って俺らを追ってる魔物が現われたんだ!お前らもさっさと逃げた方がいぃぞ!」

さらに船は揺れだし、海の中から金色の光が二つ浮かび上がってきた。

「タカ!とりあえず帰ろう!」

ノゥンの声でタカは目が覚めたように、慌てて鉄馬にエンジンをかける。

「よっしゃ、行けるで!ノゥン!早く乗れっ!」

ノゥンが飛び乗るとタカは鉄馬を急発進させた。

ノゥンが遠ざかる船を振り返ると、船の横にはドロドロとした緑色の魔物が船を襲っていた。

「タカ!このままだと、あの船が沈んでしまう!」

タカも鉄馬を空中停止させると、振り返ってその光景を見た。

「チッ!船が沈んだら石もなしか!しゃーない、人助けは俺の柄じゃないけどな!」

タカは魔物に向けて長銃を構える。

「タカ!僕が威力を倍増させる!」

ノゥンがタカの背中に両手を置き、目を閉じる。

「よっしゃー!いっけぇーーー!」

撃たれた弾は光を放ちながら魔物へと突き刺さる。

「グォーーー!」

魔物は船から離れて行く。

「うっし!効いたみたいや!」

タカが安心したときだった、魔物は向きを変えてノゥン達に向かって目から光線を出してきた。

「くそっ!このままやと鉄馬に当たる!ノゥン逃げるぞ!しっかり捕まれ!」

タカは元来た方角へ鉄馬を走らせた。
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