星の海


「…いない、よ?」


あ、そうなの。
お姉ちゃんがっかりだなあ。


村の男どもはこんな
かわいい子をほおって
おくなんて見る目が
ないんだわ。


とかもやもや考えていると、
未柑が真剣な顔でぼそっと言った。


「お姉ちゃんは…
悠真のことどう思ってる?」


「ん?かっこいいなあってだけ
いきなりなんで?」


「な、なんでもないっ。
あたし寝るね。
おやすみ、お姉ちゃん」


そう言って未柑は布団にくるまり、
そのうちかわいい寝息が聞こえてきた。


「かわいいなあ」


にやけた顔でつぶやき、
あたしも布団に入る。



あたしはばかだった。
この時に気づかなければいけなかった。
未柑の想いに…。
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