獣闘記
敏彦に触れる人間は例外なく投げられた。

立ち上がってくると、また投げる。

それでも立ち上がる人間には

関節技を極めた。

腕や足首の関節を逆に曲げる。

関節をとれば容赦なく折った。

普通の人間ならば迷う。

しかし敏彦は迷うことなく折った。

まるで落ちている物を拾うように、自然に、無表情で、即、折った。

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