☆ピュア姫と腹黒王子★
痛い視線をくぐり抜け、屋上でだべる。
だってあたしの素顔、見せれるわけないでしょっ?(←ただの自意識)
「桜〜、なんでそんなかっこしてるわけ?」
沙希はあたしの幼馴染み。
何百回も理由を述べているのにちっともわかってくれない!
全部、全部。
“あのコト”が原因!
あたしが今こうしてるのも、“あいつ”のせい。
「だからー「あっ!見てみて〜!!流架様よ〜っ」」
……無視ですか?
「あのぉ、ミーハーな沙希さーん?
「今日も可愛いっ」
「…あたしの質問に答えろーいっ」
ちなみに。
流架様って言うのは、あたしたちの学園の王子様。
高校から転入したらしい。
初等部から顔馴染みのみんなにとって流架様は本当に新鮮なんだって。
2メートル以内に近づいたら失神するって、女子達の噂。