☆ピュア姫と腹黒王子★
ふわぁぁとあくびをする。
待つこと10分、早くも飽きてきた。
桜もそれは同様のようで、暇過ぎるのか、目の前でイチャついているカップルをガン見していた。
「うふっ。んもぅ…ゆうくんたらぁ…っ」
女の甘い声にゾクッとする。
なんでこんな甘ったるい声が出せるんだろう?
いやいや待てよ。
もし、これが桜だったら…?
『もうっ!るーちゃんたら!ふふっ』
お。いけるかも。
って、何妄想してんの俺!!
ひしひしと痛い視線を浴びせられる。
恐る恐るその方向を見ると………
すっげー冷めた目をした、桜がいた。
「………桜………?」
恐る恐る問い掛けた。
「………るーちゃんの、バカ」
へっ!?