sakura-君と出逢えて-
走りながら家に帰る前に携帯でお母さんに連絡をすると、お母さんが駅まで来てくれた。
「どうしたの?」
目を丸くして不思議そうなお母さんにはどうしても! そんな言葉で学校まで手を引いてきた。
お母さん……。
過去は辛いかもしれない。
でも……目をそむけないで?
ゆずの気持ちをちゃんと受け止めてあげて……。
祈るような気持ちで桜の近くに行くと、わたしが掴んでいた手に引っ張られる。
お母さん?
そう思って振り返ると、目を丸くして固まっているお母さんがそこにいた。
……ゆずが見えてるんだよね?