藤の君へ
お局様の登場だ。


「はい!申し訳ございません!只今義平様を荻様の元へご案内いたします!」


こいつ…面白い。

気が向いた。

少し助けてやろう。


「そちらのお方」

なるべく優雅な口調でお局様に声をかけた。



「いかがなさいましたでしょうか」


「藤殿に私がお話をしていました。彼女は私の話を聞いてくれていただけなのであまり責めないでやってはくれませぬか?」

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