藤の君へ
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「荻様、義平様がいらっしゃいました」

「おお、待っておったぞ」

藤とはかけ離れた太い声に傲慢な口調…。

貴族なので致し方ないとはいえ
この口調は少々耳に障る。


「荻様、ご機嫌麗しゅう」

「義平殿、お待ち申し上げておった。」

「荻様、今日は何か私にご相談があるとか?」

「ええ。私、妖に狙われているようですの」

…は?


妖に狙われているなんて何故私に報告する?

私は陰陽師ではないのだが…。


「まぁ!荻様、それは誠にございますか!?」

…あちゃー。
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