とある青年の復讐劇
明日は廃墟の外で仕事が入っている筈だった。


廃墟の王者が、飲食店従業員。何だか笑える図である。


本当は殺人者を雇うわけにはいかないのだろうが、如何せん働ける人間が少ない。


加えて、荒ぶる各地の廃墟のチンピラ共を纏める彼は、その働きの鎮静化に必要不可欠だとされて、政府に命を狙われることはなかった。


そもそも警察なぞ政府より先に崩壊したのだ。どうやって逮捕し、罪を課すというのか。




―仇を打つのは被害者だけだ。
第三者が咎人を裁くのは、安定した世の中でしか出来ないことだから。
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