とある青年の復讐劇

04

「……桐堤紅蓮」




背後から声が聞こえ、思わず振り返った。



紅蓮は廃墟の王座に君臨していた。名前は有名ではないが、知っている人間は知っているに違いない。



それだけなら、この血だまりに、その声の主も転がしていただろう。



だが、


違った。



それは、ひどく聞き覚えのある声で。
< 35 / 59 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop