幼なじみは人気モデル

地元の花火大会はかなり大規模で人混みが嫌いなあたし達は、毎年土手まで行かずにあたしの家のバルコニーから見てる。あたしの家の周りには高い建物はないから、三階建てで十分花火はよく見えるんだよね。


「ん、ジュースとか持って行くわ」


さっきまで上の空だった葵も花火の話をすると嬉しそうに笑った。


良かった。いくら毎年恒例といっても、あたし達ももう高校生だし他に約束ができても仕方がない。いつかお互いに恋人ができたら一緒には花火見れないんだろうな。


今までこんな事、考えたこともなかったのにそれを考えたら急に息苦しくなっちゃった。


やっぱり好きって自覚したからなのかな。
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