硝子の靴 ~夜帝の紅い薔薇~少女A~
桜咲く
「おかえりなさい」
家に帰ると、
母親がかしこまって
日和を玄関で迎えた。
「ただいま」
一息ついて、
心配そうな母親に笑顔を向ける。
「合格しました」
「そう!」
母親は、飛び跳ねる様に晴れ晴れとした笑顔を輝かせながら、
「おめでとう!
よく頑張ったわね!
やったねっ、
おめでとう!」
と、
日和を抱きしめた。
「はぃっ、
有難うございます」
日和は、
達成感と
親を喜ばせることができたことに、
安堵感にひたった。