硝子の靴 ~夜帝の紅い薔薇~少女A~

「私が、
桐生隼人さんの許嫁というお話を、

白紙にして下さい」


「ん?」

「まぁ…」

日和の言葉に、
両親が顔を見合わせる。


「お願いです!」


日和は、
土下座をする様に頭を下げた。


じっと
頭を下げ続ける。


「日和…まぁ…顔を上げて」


ドギマギする母親の横で、
頭を下げた日和を
黙って見つめる父親。


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