硝子の靴 ~夜帝の紅い薔薇~少女A~
「えっ…」


嬉しい言葉なのに、
日和は、言葉を失う…


「何を驚いている」


「い、いえ…あのぅ。

いいんですか?」


「うん。良い」


「どうして」


「お父さんとお母さんは、日和のことを思って、
日和が如何に幸せになれるかを考えて
日和の道しるべを決めてきたんだよ?

だから、この件も
当然に良い。

世の中は、金だ。

だから、
お父さんとお母さんは、
日和が金銭面でも困らぬ様にと考えて決めた。
しかし、
隼人くんと結婚することを、日和が不幸せに感じるのでは、意味がない」


「お父さん…」


「だから、

日和の願いを聞き入れよう」


「良かったわね、日和」


「お母さん…

有難うございます、
お父さん、お母さん」


両親は、日和を見つめて頷く。


日和の願いは、
聞き入れられた。

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