硝子の靴 ~夜帝の紅い薔薇~少女A~
「日和ちゃん、お腹すいてない?」

「あ、…」

私は、今日は緊張して、あまり食べれなかったので、お腹が鳴りそうになっていた。

「何が食べたい?」

そう聞かれて、真っ先に思い浮かんだのは、ハンバーガーとポテトだった。
でも、年上の彼は、食べないかもしれないと思い、私は、躊躇する。

「何。食べたいのを言ってよ」

「はい。あの…、七海さん、何歳ですか?そう言えば」

「俺?二十歳」

「あぁ」

「え?見えない?上に見える?下?」

「う…ん…わからない…」

「そっか、わからないか」

彼は、笑った。

「私の年、知らないですよね。言ってないから…」

「中学生」

「え?何故わかったの?あ、制服とか。いつか制服を見て」

「あの時、初めて見たんだよ。私服だったでしょ」

「じゃあ、どうして」

「よく高校生に見られるから、不思議なんでしょ。さっきも俺の妹が間違えたし」

「はい。当てた人、初めてだったから。どうしてわかったの?」

「なんとなく」

「なんとなく?」

「そう。勘かな。仕事柄、いろんな人と接するからね。わかるよ」

「あぁ…」

私は、凄く感心した。

「で、食べたいものは?」

「あ、ハンバーガーとポテト!」

「了解」

「やった」

彼は、上着を脱いでネクタイを取り、カッターシャツとズボンという、楽な格好になった。

「じゃあ、行こうか」

「はい」

エレベーターに向かう。

すると、エレベーターの扉が開いた。

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