硝子の靴 ~夜帝の紅い薔薇~少女A~
中学生
今日は、先日の穴埋めもあって、私は、親友の矢吹 絵里菜と約束をしていた。
いつもの図書館へ行く前に、ハンバーガーを食べようと、ハンバーガーショップで待ち合わせをした。
「行ってきまーす」
私は、軽やかに玄関を出る。
外は、とてもいい天気。
私は、そよ風に心地よさを感じながら、歩いていた。
橋を渡り、並木通りを歩く。
ふと見ると、正面を、こちらへと歩いている、桐生 隼人がいた。
彼は、私に気付いていない様子だった。
私は、やはり、彼に対して苦手意識があったので、気付いていない今のうちに、引き換えそうかとも思ったのだが、一直線の並木通りなので、諦めた。
だんだんと距離が近付く。
ふと、彼は気付いて、私を見た。
【現実には結婚しないんだから、話してもいいか…】
私は、ふと思った自分の意思に、すぐに我に返って、自分に驚いた。
許嫁の件に関して、両親にお願いしたわけでも自分の意思を言ったわけでもなんでもなく、事態は変わっていないというのに、私は、何を思ったか、現実には結婚しないと、心の中で呟いたのだ。
私は、自分で自分に、酷く驚いた。
私に気付いた彼は、私と近くになると、歩く速度を落とした。
私もつられて、歩く速度を落とした。
そして、彼は、私の方を見ながら足を止めた。
私も、立ち止まった。
二メートルくらいの距離間で、向かい合う。
「こんにちは」
先に声を発したのは、彼だった。
「こんにちは」
私も、とりあえず挨拶をする。
立ち止まったものの、やはり話すことが無くて、私は、黙ったままだった。
「どこか行くの?」
彼の、ざっくばらんな口調を珍しく思う。
「うん」
「そう」
会話が終わってしまった。
黙っているのも悪いと思い、私も話しかけた。
「そちらは?どこかへ?」
「いいや。もう帰るところ」
「そう」
やはり、珍しくざっくばらんな口調だなと思い、私は、それを言ってみた。
いつもの図書館へ行く前に、ハンバーガーを食べようと、ハンバーガーショップで待ち合わせをした。
「行ってきまーす」
私は、軽やかに玄関を出る。
外は、とてもいい天気。
私は、そよ風に心地よさを感じながら、歩いていた。
橋を渡り、並木通りを歩く。
ふと見ると、正面を、こちらへと歩いている、桐生 隼人がいた。
彼は、私に気付いていない様子だった。
私は、やはり、彼に対して苦手意識があったので、気付いていない今のうちに、引き換えそうかとも思ったのだが、一直線の並木通りなので、諦めた。
だんだんと距離が近付く。
ふと、彼は気付いて、私を見た。
【現実には結婚しないんだから、話してもいいか…】
私は、ふと思った自分の意思に、すぐに我に返って、自分に驚いた。
許嫁の件に関して、両親にお願いしたわけでも自分の意思を言ったわけでもなんでもなく、事態は変わっていないというのに、私は、何を思ったか、現実には結婚しないと、心の中で呟いたのだ。
私は、自分で自分に、酷く驚いた。
私に気付いた彼は、私と近くになると、歩く速度を落とした。
私もつられて、歩く速度を落とした。
そして、彼は、私の方を見ながら足を止めた。
私も、立ち止まった。
二メートルくらいの距離間で、向かい合う。
「こんにちは」
先に声を発したのは、彼だった。
「こんにちは」
私も、とりあえず挨拶をする。
立ち止まったものの、やはり話すことが無くて、私は、黙ったままだった。
「どこか行くの?」
彼の、ざっくばらんな口調を珍しく思う。
「うん」
「そう」
会話が終わってしまった。
黙っているのも悪いと思い、私も話しかけた。
「そちらは?どこかへ?」
「いいや。もう帰るところ」
「そう」
やはり、珍しくざっくばらんな口調だなと思い、私は、それを言ってみた。