硝子の靴 ~夜帝の紅い薔薇~少女A~
初めて見たシャンパンタワーから始まって、楽しげに賑わう皆の雰囲気を味わいながら、店内で鳴り響く音楽に心を踊らせたり、冷たくて美味しいノンアルコールのシャンパンを飲んだり、美味しい料理を食べたりして、楽しい時間は、過ぎていった。

彼が、徐に時計を見る。

「もう、七時か。日和、送っていくよ」

「はい。七海さん、本当に、有難うございました。楽しかった。シャンパンタワー、初めて見て、感激だった。とっても綺麗だった…」

私は、きらきらと光る、シャンパンタワーを思い出していた。

「そっか。良かった」

彼は、自分のポケットにある車のキーを確認した。

「行こうか」

「はい。あっ」

「ん?」

「お手洗いに…行きたい」

私は、とっさに苦い顔になる。

「あぁ!ごめんごめん、行っておいで。突き当たりを左」

私は頷くと、慌てて、お手洗いに向かった。
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