硝子の靴 ~夜帝の紅い薔薇~少女A~
「日和ちゃん、

日和?…おいっ」


「えっ?あ…」

「何度読んでも気づかないから~
どうした?ぼーっとして」


ハッとした日和の目の前に龍星がいた。


「あ…、ごめんなさい…」

「どうした?」

「う、ううん。
なんでもない」


日和は、笑顔をする。

「そっか」

笑顔をした日和に
七海はすぐに納得し、


「あっ」


大きな音とともに、

夜空に花火があがった。

色とりどりの大輪の光の花が
真っ暗な中に広がってゆく。



「わぁ…」



初めて十階から見る
見映えの良い、
迫力のある花火の光景に
日和は、
目を輝かせた…



龍星と日和…



窓辺に二人並んで、

花火を見る …
< 82 / 156 >

この作品をシェア

pagetop