硝子の靴 ~夜帝の紅い薔薇~少女A~
「七海さん、

ありがとうございました」


「ううん。
一緒に見れて嬉しかったよ」

「…私もです…」

「ほんとに?」


日和は、
恥ずかしそうに頷いた。


――――――




「送るよ」


龍星は、
日和をつれてエレベーターに乗った。


「今、夏休みだよね?」

「うん」

「何してるの?」

「えーっと…

図書館行ったり、
家にいたり」


「そっか。

日和ちゃんは、勉強家だもんね」


「そんなこと、
…ただ、何をしようかなって…

いつもは、夏休みに福岡に行くの」


「福岡に?」


「うん。

お母さんの実家」


「あぁ~そうなんだぁ」


「うん」


「福岡かぁ。

行ったことないなぁ~。
どんな所?」


「よかトコよ♪」


「そっか♪よかトコか」


「うん」



七海が日和の真似して方言を言ったので、
日和は、
ニッコリと微笑む。



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