「さよなら」も言わずに。
プロローグ
ねぇ?



君は、私に一言も言葉を発しなかったね。



私が話しかけても無視ばっか。


イヤな奴だな―


そう思ってたよ、私。




君の事実を知るまでは…。



無口でクール。

それが周りから見たときの君の姿。


―けど、本当は違うんだ。

違ってた。


本当は、話したくても話せなかったんだ。



君は、私が話す言葉を唇の動きで読み取って

私の顔を笑顔で眺めてた。


そんな姿が愛しくて―
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